季節の手しごと

牡蠣の下処理と牡蠣のお話

播磨灘の一年牡蠣

牡蠣の養殖と言えば 広島・宮城・岡山が有名ですが、兵庫県の播磨灘でも牡蠣の養殖は盛んで毎年2月頃にドライブがてら直売所へ買いに行くのが我が家の恒例行事となっています。

一般的な牡蠣は2年~3年かけて出荷できるサイズまで育てられるそうですが、播磨灘の牡蠣は殆どが一年牡蠣。

一年牡蠣は排卵を行なわないのと、殻づくりにエネルギーを費やさないので一年でもふっくらと大粒に育つんだそうです。

もちろん山々からの豊富な栄養分の恩恵と、養殖できる牡蠣の数が制限されているからでもあり、オフシーズンには筏を上げて海を休ませ環境維持に努められているからでもあります。

殻を剥くのは大変なのでいつもむき身を買うのですが、播磨灘の牡蠣は加熱してもほとんど縮まずふっくらぷりぷり!食べ応えがあって美味しいです。

播磨灘の牡蠣を食べ比べ!

播磨灘にもいくつか漁港があって、その中でも室津・相生・坂越と牡蠣を買って帰って食べ比べた事があります。
一度に比べないと分からないくらいの微妙な差なのですが、触った時の牡蠣の感触とお味と食感で我が家のNo. 1は坂越の牡蠣でした。

牡蠣の下処理

どんなお料理にするにもまずは下処理!
最初に3%の塩水をボールにたっぷり作っておきます。

別のボールに水気を切った牡蠣を入れ、そこへ片栗粉を入れます。
500gの牡蠣なら大さじ2杯づつくらいでしょうか。

全体になじむように優しくかき混ぜると、だんだん汚れが浮いてくるので3%の塩水の中で一つづつ汚れをゆすいだ後、キッチンペーパーなどでしっかり水気を切ってから調理します。

牡蠣は柔らかいので優しくゆっくりと!
ひだの中にも汚れがあるので丁寧に!
塩水でなく水でゆすぐ場合は旨味が逃げるので手早く!

もともとは苦手だった牡蠣

毎年直売所まで買いに行っている牡蠣ですが、数年前までは牡蠣が苦手だったんです。

友達のお家で恐々と頂いた牡蠣の燻製が美味しくて、それ以来少しずつ食べられるようになりました。

とは言っても、生牡蠣や酢牡蠣やお鍋に入れたりするのは苦手で・・・
買って帰った牡蠣で作るのは、牡蠣ご飯・佃煮・燻製・オイル漬け・ムニエル・カキチャウダーといつもお決まりメニューです(^^)

岩牡蠣と真牡蠣の違い

日本には20種類ほどの牡蠣が生息しているそうですが、その主流は真牡蠣と岩牡蠣です。

真牡蠣
4〜6月頃一気に産卵します。
産卵直後の夏は栄養が抜けて味が落ちてしまうので、旬は11月から3月頃と言われています。
主に太平洋側の沿岸部で養殖されていて、小ぶりながら濃厚でクリーミーな味わいな事から「海のミルク」と言われています。

岩牡蠣
ゆっくりと少しずつ時間をかけて産卵するので、夏でも栄養が抜ける事なく5〜8月に旬を迎えます。
殆どが天然物で、海女さんや漁師さんが潜って取るため海水の冷たい冬は市場に出回りません。
日本海側の岩場の深い場所に生息していて殻も実も大きくボリュームがあります。
真牡蠣より更に濃厚でクリーミーなことから「海のチーズ」と言われています。

加熱用と生食用の違い

鮮度の良いものが「生食用」で鮮度の落ちたものが「加熱用」だと思っていたのですが、鮮度の問題ではないんだそうです。

保健所から指定された海域で育ち、かつ指定の殺菌処理をされたものが「生食用」。
陸地に近く川から流れてくる栄養が豊富な海域で育ち、何も処理もされていないのが「加熱用」なんだそうです。

<生食用>
陸地から遠く、菌やウイルスが少ない海域で育つので生でも安心して食べる事ができる。
その分、海中に含まれるプランクトンなどの栄養分も少ないので味が乗りにくい。
2〜3日殺菌処理水に漬けられるので、身が痩せたり味が落ちる事もある

<加熱用>
沿岸部のプランクトンが多く、栄養が豊富でな海域で育つので実入りが良く味も濃厚になる。
85~90℃で90秒以上しっかり加熱しないと、菌やウイルスを取り込むリスクもある。

僅かな温度変化や塩分濃度の違いでも牡蠣の味は変わってくるそうです。
我が家では生で頂くことはないので、海の栄養たっぷりな加熱用を選ぶようにしています。

牡蠣は産まれて2週間しか動かない‼︎

牡蠣は産まれて2週間ほどの間、海中を浮遊しながら付着する場所を探します。
一生のうち、泳げるのはこの時だけ。一度付着するとずっとその場所で過ごすのですがこの動かないということが豊富な栄養素の秘密になるのだとか。

動かない牡蠣に交尾というものはなく、雌は卵を雄は精子をそれぞれ海に吐き出して海の中で精子と卵子が受精します。そして、生き残るために雌になったり雄になったり性転換する牡蠣もいるそうです。

牡蠣は発達させたエラで24時間休まずに海水を吸い込み、植物性プランクトンなどを濾しとって成長します。濾過する海水は1時間に10リットルも!

植物性プランクトンだけで亜鉛・タウリン・グリコーゲンと、魅力的な栄養素をたっぷり含んだ牡蠣になるなんてまさに凝縮された海と山の恵みそのものですね。

そして、24時間休まず濾過する牡蠣の海水浄化作用は天然の浄水器として注目されていて、ニューヨークの海でも牡蠣を使った海の洗浄に力を入れておられるそうです。美味しいだけでなく、海も綺麗になるなんて最高ですね。