季節の手しごと

黒らっきょうの作り方とらっきょうのお話

元気をサポート!らっきょうの効能

初夏に旬を迎え、店頭に並びはじめるらっきょう。
主役というよりわき役で、カレーの付け合わせというイメージが強いかもしれませんが、畑の薬と言われるくらいに素晴らしくパワーの詰まった野菜なのです。

らっきょうの主な栄養素は硫化アリル(アリシン)・フルクタン(食物繊維)・カリウムビタミンC
小さな一粒に疲労回復効果・血液サラサラ効果・便秘解消効果・ダイエット効果・成人病予防効果など、きりがないくらいの効果効能がぎっしりと詰まっています。

らっきょうには9月頃に植え付けて6月頃に収穫する1年堀りと、収穫せずにもう1年寝かせる2年堀りがあります。1年堀りは大粒でシャキッとした歯応えがあり、2年堀りは1年堀りよりも分球し小粒で実の締まった良質のらっきょうになるそうです。ちなみに、エシャロットは若摘みしたらっきょうのこと。小粒で香りも控えめでクセが少ないので生のままでも食べることができます。

効果効能の高いらっきょうですが、中国の陰陽五行思想やインドの伝承医学・アーユルヴェーダでは、五葷(ごくん)と言って匂いの強い植物を食べることを禁じられていました。
五葷とは、ねぎ・にんにく・たまねぎ・にら・そしてらっきょう。
これらのスタミナ野菜は体を元気にしてくれる効能がありますが、一方でかえって気持ちが高ぶり、イライラしたり怒りっぽくなるというマイナス面もあるのだとか。
特にらっきょうは「欲」を強めるんだそうです。

黒らっきょうの作り方

はっこうするおうちの美穂さんに、黒らっきょうが美味しいよと教えてもらったので早速作ってみました。
もともと健康効果の高いらっきょうですが、黒らっきょうにすることで血液サラサラ効果の高いシクロアリイン含量が約2倍に、活性酸素を抑制する抗酸化作用は約20倍にも増加するそうで、凄いですよね。
アンチエイジングや生活習慣病の予防効果が期待できそうです。

らっきょうの下処理

  1. 土付きのらっきょうをサッと洗い土を落とす
  2. 根と茎を切り落とす
  3. 再度水洗いしながら薄皮を取る
  4. しっかりと水気を切る

作り方は簡単です。下処理したらっきょうを炊飯器に入れ、約10日ほど保温するだけ。
らっきょうから水分が出るので、様子を見ながらキッチンペーパーなどで取り除きます。

私は炊飯器の底に陶器製のすのこを置き、その上にらっきょうを乗せて水分が下に落ちるようにしました。最初に作った時は金網の上にらっきょうを乗せたのですが金網が錆びてしまってたので、金属製の物はやめた方がいいかも知れません。

味見をして、プルーンのように甘くフルーティになっていれば出来上がりです。黒らっきょうの糖度は30度を超えているそうで、炊飯器の底に落ちた水分もとても甘かったのでカレーに利用しました。

生のらっきょうの出回る時期にしか作れませんが、食べるととっても元気になるのが分かります。時間はかかりますが手間はかかりませんし、らっきょうが苦手でも食べられると言う方は多いのでぜひ作ってみて下さい。

にんにくほど匂いはしませんが、黒らっきょう用に専用の炊飯器を用意されることをおすすめします!

らっきょうの食べ方いろいろ

らっきょうといえば甘酢漬けや塩漬けしか食べた事のない方も多いかも知れませんが、生でそのまま食べることはもちろん、食感や味を活かしていろんな料理に使うことができます。

らっきょうの栄養を一番効率よく摂り入れるには、で食べるのが一番です。らっきょうに含まれる硫化アリルやカリウムは熱に弱く、他の栄養素もほとんどが水溶性なので液体に漬けると栄養分が流れ出てしまうからです。スライスして鰹節とぽん酢をかけたり、みじん切りにして薬味にしたり、玉ねぎの代わりにポテトサラダやタルタルソースに入れたり。

加熱するとホクホクした食感になり辛味が和らぐので、ホイル焼きやきんぴらはよく作ります。油と相性がいいので、かき揚げや天ぷらやアヒージョにしても美味しいですよ。

甘酢やお塩や醤油やお味噌に漬ける漬物や、黒らっきょうに加工すると1年は楽しめるらっきょうですが、生のらっきょうは収穫後も成長スピードが早くすぐに鮮度が落ちてしまうので、なるべく買ってきたその日のうちに調理したり加工したりしましょう。

我が家ではらっきょうの甘酢漬けは私しか食べないので、超手抜きで飯尾醸造さんのすし酢を使って少しだけ漬けます。飯尾醸造さんのすし酢は原材料も米酢・砂糖・蜂蜜・塩ととてもシンプルで美味しいです。下処理したらっきょうを保存容器に入れ、すし酢をそそぐだけなのでとても簡単!新生姜もこのすし酢で漬けてみました。

らっきょうの選び方
土付きの鮮度の良いものを
ふっくらと丸みを帯びたものを
緑の芽の出ていないものを

食べすぎ注意!

畑の薬と言われるくらいに薬効効果の高いらっきょうですが、体に良いからと言って食べ過ぎには注意が必要です。

らっきょうに含まれる硫化アリル(アリシン)はらっきょう特有の辛味や臭いの原因となるもので、にんにくやニラにも含まれる成分です。
この硫化アリルは健康効果の高い成分ですが、とても刺激が強いので食べすぎると胃の粘膜を傷つけ胃痛や胸焼けの原因となることがあります。

ただし、硫化アリルは加熱すると分解され刺激は弱まるので、黒らっきょうや加熱調理する場合はあまり気にしなくても大丈夫です。

一度にたくさん食べるのではなく、1日3〜4粒くらいを毎日コツコツと食べることで病気になりにくいカラダをつくることが出来るそうです。
梅酢と黒らっきょうで暑い夏を乗り切りたいと思います!