季節の手しごと

ホタルイカの沖漬けとホタルイカのお話

絶品おつまみ!ホタルイカの沖漬け

春の風物詩、ホタルイカ。
漁獲量日本一の但馬漁港から届いた生の冷凍ホタルイカで、沖漬けを作りました!

目とくちばしと軟骨を取って、下処理さえ終われば超簡単。
[1:1:1]のお酒とみりんとお醤油を煮切って冷ましたものに漬けるだけ〜
半日くらいで美味しく頂けます。

そのまま食べてももちろん美味しいのですが、漬け汁で炊いたご飯の上に沖漬けを乗せて余熱で沖漬けに火を通すホタルイカの混ぜごはんや、オリーブオイル・にんにく・鷹の爪・沖漬けで作るパスタ、ペペロンチーノもとっても美味しいので作る時は多めに作るようにしています。

寄生虫には要注意!

お刺身や沖漬けなど、生で食べても美味しいホタルイカですが、ホタルイカの内臓には2~7%ほどの割合で寄生虫がいると言われています。
人の体へ入った寄生虫は体内では成長せず、幼体のまま胃腸を破って移動し嘔吐や腹痛、腸閉塞を引き起こす事もあるそうで。。。
決して水揚げされたそのままを食べてはいけません!

十分に加熱調理するか、-30℃で4日以上冷凍する事で安全に食べることができると言われているので、生で頂く時にはプロの業務用冷凍庫でしっかり冷凍されたものを購入するようにしています。

ホタルイカの燻製も絶品!

美味しいホタルイカが手に入ったら絶対作りたいもう一品は燻製♪
お酒のあてにぴったりなものばかりですが(笑)
これがめちゃくちゃ美味しいのです。

燻製はボイルされたホタルイカで作るんですが、目とくちばしと軟骨は取ります。
美味しく頂くための手間は惜しみませんよ〜

そのまま燻製にしたり、塩麹や醤油麹を薄くひと塗りして燻製にしたりしています。

ホタルイカの栄養は?

小さいけれど侮れないホタルイカです!
肝機能をサポートし、コレステロールの分解を進めるタウリンをはじめ皮膚や粘膜を潤すビタミンAや、抗酸化作用が強く若返りのビタミンと言われるビタミンEなど、小さな体にたくさんの栄養素が詰まっています。
特にビタミンAは魚介類の中でもトップクラスなんだそうです。

ホタルイカはなぜ光るの?

ホタルイカがどのようにして神秘的な光を放っているのかご存知でしょうか?
ホタルイカの光は昆虫の蛍と同じ熱を持たない冷光です。

両腕の先にそれぞれ3個と目の周りに5個、胴体には約1000個もの発光器を持っていて、それに酵素が作用して青・水色・緑の3色に発光していると言われています。

その中でも両腕の先にある発光器は新聞が読めるくらい強く光るんだとか。

〈ホタルイカが光る理由〉
・外敵から身を守るため
・海の中で身を隠すため
・仲間同士での会話のため
。。。などと言われています。

寿命はたったの1年!ホタルイカの一生

普段は水深200m〜600mもの深海に棲んでいるホタルイカが、海面まで浮上してくるのは産卵シーズンの3月中旬から5月初旬だけ。

写真はネットからお借りしたものですが、富山湾沿岸で見ることのできる国の天然記念物ホタルイカの群遊海面は、産卵のためにやってきたメスのホタルイカなのです。


(画像 絶景辞典さんより)

この時期に富山湾に設置される定置網で漁獲されるのは、99%が産卵を終えたメス。
オスは交尾のあとに、メスは産卵のあとに短い一生を終えるそうです。

ホタルイカの卵は1.5mmほどの小さな粒で、1mほど数珠状に連なっています。
2週間ほどで孵化し、およそ1.4mmの赤ちゃんイカは2日後には泳ぎ始め墨もはくのだとか。

しばらく海の表面近くを漂った後、夏には2cm 秋には3cmほどに成長しながら山陰沖から秋田沖までの深海を回遊します。

そして冬には交尾のシーズンを迎え、春には産卵のためまた富山湾にやってくるのです。

富山湾のホタルイカがとても大きくて立派な理由

ホタルイカが定置網漁で漁獲されているのは富山湾だけ。
沿岸部に設置された定置網に自然にホタルイカが入ってくるのを待つという漁法なので、ホタルイカにかかるストレスが少ないのと、身が傷む確率が低いので品質を落とすことなく漁獲できるのですが、一度の漁で漁獲できる量が少ないんだそうです。

富山湾のホタルイカは殆どが産卵を終えた雌だから身が大きくて品質もいい。
でも漁獲量が少ないからお値段も高いという事なのです。

ホタルイカは、まだまだ多くの謎に包まれた神秘的な生き物。
小さな体でどれだけの距離を移動してきたんだろうと思いを馳せながら。。。
春の恵みをありがたく頂きたいと思います。