梅のチカラ
「梅はその日の難逃れ」
「1日1粒の梅干で医者いらず」
「梅は三毒を断つ」
昔からのことわざにもある様に、梅にはたくさんの薬効があります。
病気の予防や健康増進に欠かせないだけでなく、強力な殺菌力や防腐作用もある日本の代表的な伝統保存食です。
梅の栄養素で特徴的なのは有機酸の多いこと
クエン酸・リンゴ酸・コハク酸・酒石酸など、その他各種有機酸が豊富に含まれ小さな1粒に大きなパワーが秘められています。
主な薬効はもう皆さんご存知の通り、疲労回復・食欲増進・老化防止・肝機能向上・血液さらさら効果・殺菌、抗菌作用など盛りだくさん!酸っぱいので酸性の食品だと思いがちですが、アルカリ性食品の王様です。
梅を思い浮かべたり写真を見てるだけで唾液が出てきませんか?
食べなくても唾液を分泌させるだけでもたくさんの健康効果があるのです。
梅干しはいつから?
梅の原産地や日本への伝来については諸説ありますが、中国から薬として日本に伝わったという説が有力なんだとか。
奈良時代、万葉集では梅の花の歌が多く詠まれていて、実よりもまず花が注目されていたようです。
桃や枇杷や梨などの様に、生菓子に加工して食べていたとも言われています。
塩漬けした「白干し梅」が作られ始めたのが平安時代。
鎌倉時代あたりから梅干しが重宝されるようになり、戦国時代には保存食としてだけでなく消毒や戦場での食中毒や伝染病の予防にも活用されました。
江戸時代には紫蘇と一緒に漬けるようになり、庶民の食卓にも登場し人々の暮らしに根付いていきました。
コレラが流行した明治時代には梅干の殺菌力が見直され需要が急増したそうです。
そして現在では梅干しはもちろん、梅酒・梅ジュース・梅シロップ・梅ジャム・梅肉エキスなど様々なものに加工され愛され続けています。
我が家の梅しごと
爽やかで新緑の美しい初夏のころ、あちらこちらで梅の実を見かけるとついつい買ってしまう習性のある私ですが、いろいろ作っても食べきれなかったり使いこなせなかったりするものもあって。
最近の梅しごとは酵素ジュースと梅酒と梅干しが定番です。
こちらは無農薬の豊後梅で作った酵素ジュース。
豊後梅は杏との自然交雑実生で誕生した梅で、もうもうもう〜香りが素晴らしすぎてうっとり。
梅の酵素ジュースは甘酸っぱくて本当に美味しいですし、ドレッシングや和え物などの調味料として使うこともできます。
ジュースを濾した後の実に、ブランデーとすももなどを足して梅酒を仕込んでも美味しかったです。
梅干しは、はっこうするおうちの美穂さんのWSで仕込むのが恒例行事。
美穂さんこだわりの無農薬の木なり完熟梅が美味しくて~
お仲間とのおしゃべりしながらの手しごとや、仕込みの後のランチも楽しみで毎年参加させてもらっています。
飲む梅干し「梅酢」!
梅とお塩を漬込むと出てくる液体で、梅のエキスがたっぷりと滲み出した梅酢はとっても嬉しい梅干しの副産物。
漬けた分だけでは足らなくて買うこともあるほどです。
私の一押しは水で薄めて飲む梅酢ドリンク。
塩分濃度が高いので普段は薄めてもなかなか飲みにくいのですが、汗をよくかく夏の暑い日は梅酢に含まれるクエン酸や塩分が体に染み渡ります。熱中症予防にもバッチリです!
調味料として生姜やみょうがを漬けたり、マリネ液にしたり、お肉やお魚の臭み取りにも使え、防腐効果もあるのでご飯を炊く時に少し入れて炊いたり、おにぎりを握る時の手水にもできます。
消毒・抗菌効果を利用してまな板や調理器具の除菌や、スプレー容器に入れて手指や喉にスプレーしたりもできます。
梅酢は梅干しに負けず劣らずの万能選手なのです。
梅を使ったお手当
梅を使ったお手当で1番お手軽なのが梅醤番茶。
風邪のひき始めや胃腸が疲れた時に飲むとお腹がぽかぽかしてきます。
梅醤番茶の作り方
中くらいの、種を取った梅干しをお湯呑みに入れつぶします
お醤油小さじ1杯を入れ混ぜ合わせます。
アツアツの番茶と生姜の絞り汁を2〜3滴入れ、かき混ぜたら熱いうちに飲みます。
お湯を注ぐだけで飲めるペースト状のものや顆粒状のものも売られていますし、梅干しをたたいたものを常備しておくと梅醤番茶やお料理にもすぐに使えてとても便利です。
お手当と言うより、もはや薬なのが
土鍋に梅干しを敷き詰め空気が入らない様に小麦粉を練ったもので密封し、じっくり24時間ほどかけて炭化させた梅干しの黒焼きと、青梅をすりおろして果汁を煮詰めてつくる梅エキス。常備しておきたい万能薬です。
一度、梅エキスを作った事があるのですが・・・
青梅をすりおろして、果汁を煮詰めるだけの作業なんですがコレがもう大変で大変で(汗)しかも1.5㎏の青梅からできるのはたったの40gなんです。
次は売られているものを買おうと誓いました。
梅と共に暮らす
梅干し作りは敷居が高いと思われるかもしれませんが、アク抜きしなくても、紫蘇を入れなくても、天日干ししなくても、美味しい梅と美味しいお塩と優しい気持ちがあれば美味しい梅干しができます。
正確には梅干しではなく梅漬けですが(笑)
梅酒や梅ジュースだったら、お酒や氷砂糖を入れるだけでできます。
美味しそうな梅と出会ったら、お好みの梅しごとしてみませんか?